前回の乳輪縮小術に引き続き、乳頭縮小術の話をします。
乳頭の大きさと形を整えるには、ふたつのアプローチが必要です。乳頭は立体的なものなので、直径と高さの両方を考える必要があるからです。
まず乳頭が伸びてしまった場合には、高さを縮小します。高さを縮小するには、下の図のように乳頭の下の部分の乳腺組織をリング状に切除し、縫合します。

乳頭の直径を縮小する場合には、シフォンケーキをカットするように、中心に向かってくさび形に乳頭を切除し、縫合します。

切除するくさび形の部分の大きさは、施術前の乳頭の大きさと、施術後の目標となる大きさによって決まります。たとえば、施術前の乳頭の直径がRmm、施術後の乳頭の直径がrmmだとすると、切除部分の大きさ(円周部分の長さ)は次のような計算によって求めることになります。
施術前の乳頭の円周 = 2πRmm
施術後の乳頭の円周 = 2πrmm
切除する部分の円周部分
=施術前の乳頭の円周−施術後の乳頭の円周
=(2πR−2πr)mm
このように書くと簡単に見えますが、実はこの施術にはかなりの技術が必要です。乳頭縮小術を受ける患者さまの乳頭は、円形ではないケースが圧倒的に多いからです。多くの場合は楕円形に変形しており、ソラマメ型やティアドロップ型に変形している場合もあります。そのため上の計算式も、患者さまの乳頭の形にうまく合わせて適用しなければなりません。
また施術後の乳頭がきれいな円形になるようにするには、どの部分を切除するのかを適切に判断することも重要です。切除部分を間違えてしまうと、縫合したときに円形にならないのです。これはもう計算ではなく、経験がモノをいいます。つまり高度なセンスが必要なのです。
クリニックによっては形のバランスを取るために、2ヶ所を切除して縫合するところもあります。しかしこの方法では、施術後の形が楕円形になるケースが多いようです。私はこのような方法ではなく、変形部分に着目して、その影響が最小になるように切除部分を決定しています。最適な切除部分を見極めるのは簡単ではありませんが、私の方法では切除部分は1ヶ所ですむ上、施術結果もきれいな円形になります。
高さと直径を同時に修正することもできます。その場合には下の図のような施術になります。

前回お話しした乳輪縮小術と、乳頭縮小術を同時に行うことも可能です。多くの場合、乳輪と乳頭は同時に大きくなってしまうので、一緒に行った方がいいと思います。
乳輪や乳頭が大きくなってしまうのは、授乳が原因であることが一般的で、実際の患者さまも授乳期を経た方が多いのですが、授乳とは関係ないケースももちろんあります。この場合でも乳輪縮小術や乳頭縮小術で、理想の形と大きさにすることが可能です。
最後にひとつだけ注意点を。乳頭縮小術を行うと乳頭は小さくなるのですが、その後乳頭に触ることが多いと、次第に大きくなっていきます。触ることで大きくなる組織というのは人体では他にはないのですが、不思議なことに乳頭だけはこのような現象が起こってしまうのです。乳頭縮小術の効果を長く保ちたい場合には、できるだけ乳頭に刺激を与えないようにしてください。
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