今回と次回は、乳輪縮小術と乳頭縮小術についてお話しします。
女性にとって乳房の大きさや形はとても気になるものですが、乳輪や乳頭にも理想的な大きさや形というものがあります。それでは乳輪と乳頭にとって、理想形とはどのようなものなのでしょうか。それを示したのが下の図です。

まず乳輪と乳頭の幅が、1:1:1になるのが理想のプロポーションです。つまり乳頭の直径に対して、乳輪の直径が3倍というのが望ましい比率なのです。また直径は、乳頭が10〜12mm程度、乳輪は30〜36mm程度がいいとされています。
この理想から大きく離れてしまう原因として、最も多いのが授乳経験です。授乳期の女性は、お子さんに母乳を与えるため、乳房が大きくなります。このとき乳房の皮膚が伸びるため、乳輪部分もそれに比例する形で大きくなります。授乳期が終わると乳房はもとの大きさに戻りますが、伸びた皮膚はなかなか元通りにはならないため、乳輪は大きくなったままになってしまいます。また乳頭も、お子さんが長い間くわえることで変形し、大きくなってしまいます。
これらを修正し、理想の大きさ・形に近づけるのが、乳輪縮小術と乳頭縮小術です。今回はまず、乳輪縮小術についてお話ししましょう。
乳輪縮小術の基本的な考え方は、乳輪部分の皮膚面積を小さくすることで、乳輪を小さくするというものです。
皮膚面積を小さくするには、表皮を剥離切除して、切除した両側部分を縫合します。乳輪縮小術の場合には、乳頭の周りをドーナツ状に剥離切除して縫合します。乳輪の内側の皮膚を切除するのは、乳輪の周りの皮膚を切除すると縫合部分で皮膚の色の差がはっきりしてしまい、不自然になるからです。乳頭の周りであれば色も近いので、ほとんど目立ちません。

乳輪縮小術の考え方は非常にシンプルですが、実際の施術では大きくふたつのポイントがあります。
まずひとつは、単純に縫合するのではなく、巾着縫合という方法を使うことです。中身の容積を変えずに皮膚部分の表面積だけを小さくすると、内部からの圧力が大きくなり、そのまま縫合してしまうと抜糸したときに縫合部分が剥がれてしまう可能性があるからです。巾着縫合とは、縫合対象となる外側の皮膚に巾着のひものように糸を通し、キュッとしめてから縫合する方法です。こうしておけば縫合部分に力がかかっても、剥がれる心配はなくなります。
もうひとつのポイントは、剥離切除するドーナツ状の部分をあまり大きくしすぎないことです。この部分が大きすぎると、縫合した時にギャザーが出来る可能性があるからです。ドーナツ部分の大きさを適切に判断することも、ドクターの腕の見せ所です。
乳輪が大きくなりすぎて、切除しなければならないドーナツ部分が大きくなってしまう場合には、以前お話しした乳房挙上術を検討することもあります。乳房のたるみと乳輪の大きさを一緒に解決したい場合には、この乳房挙上術が適しています。ただしコストが約2倍になりますので、乳輪だけを小さくしたい場合にはお勧めしていません。
乳輪縮小術を行うと、乳輪が理想の大きさになるだけではなく、乳房にハリが出るというメリットもあります。乳房の容積をそのままに、皮膚の表面積だけを若干小さくするので、その分立体感が増し、若々しいバストになるのです。
授乳期を経た女性の多くは、前述のように乳輪だけではなく、乳頭も大きくなってしまいます。これに対応する場合には乳頭縮小術を行います。
次回はこの乳頭縮小術についてお話しします。
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