今回は陥没乳頭修正術についてお話ししたいと思います。
陥没乳頭とはへこんだ状態の乳頭のことです。乳頭に刺激を与えると乳頭が出てくる場合には「仮性陥没乳頭」、刺激を与えても出てこない場合には「真性陥没乳頭」といいます。この症状に悩んでいる女性はかなり多く、成人女性の1割は、少なくとも片方が陥没乳頭であるというデータもあります。最近の若い女性の間では、特に増えているようです。
陥没乳頭は単に、普通の乳頭と形が異なるというだけではなく、授乳がうまくできないという機能面の問題や、陥没している部分にばい菌が入りやすく、衛生面の問題が発生しやすいという問題もあります。また乳管の発育障害が起こっていて、乳管がそのまま退化して繊維化しているケースもあります。
陥没乳頭修正術とは、この陥没乳頭を正常な乳頭にするための施術です。この施術は古くから行われており、施術方法も多岐にわたります。
またこれは陥没乳頭ではないのですが、乳ガン治療を受けた方の中には、乳首がない方が少なくありません。ガンはリンパ液を介して転移しやすいのですが、乳頭にはリンパ液が豊富にあるため、転移を避けるために乳頭を切除するケースが多いのです。陥没乳頭修正術はこのような方にとっても、乳頭を取り戻すための手段になっています。
このように陥没乳頭修正術は重要な施術なのですが、問題もあります。現在行われている施術の多くが、再発しやすいものなのです。また施術方法によっては乳管を切除してしまうものもあり、乳頭の形が修正されても機能面で問題が残るケースもあります。陥没乳頭修正術を受ける場合には、慎重に施術方法を選択すべきなのです。
実は陥没乳頭修正術に関しても、私が独自に開発したオリジナルの施術があります。この方法は幅広い症状に対応できる上、乳管も温存でき、ほとんど再発しないという特長があります。
施術方法は以下のとおりです。
まず下の図のように、形成する乳頭のデザインを行います。Rというのは乳頭の直径、hというのは高さを意味しています。

その両側の表皮部分を剥離切除して「真皮皮弁」という状態にします。

次に真皮皮弁の周りを、下の図の緑の線にそって真皮部分まで切開していきます。

乳頭形成を行う部分を持ち上げて、左右の各真皮皮弁を皮下トンネルを通して交差させます。そして対側の真皮組織と皮下縫合します。

下の図はこれを横から見たところです。

この施術方法には、3つのポイントがあります。
まず第1に、乳頭部分を持ち上げる時に横から乳管の状態をチェックして、正常な乳管を温存できることです。乳頭内の正常な乳管は1本1本分離させ、乳頭の高さに合わせて伸ばしていきます。退化した乳管は繊維化して柔軟性を失っているので、この段階で切除します。繊維化した乳管は授乳機能には関係しないので問題はありません。かなり細かい作業なのですが、授乳機能を残すにはこの作業をきちんと行う必要があります。
第2のポイントは、三角形の真皮皮弁の部分を形成する乳頭の下に挿入し、交差させている点です。こうすることで二重の真皮皮弁が乳頭の土台となり、再び陥没することを防止できます。つまりこの方法なら再発しにくいのです。
そして第3は、ご自身の好みの大きさで乳頭を形成できることです。
下の写真は施術例です。陥没乳頭がきれいに修正されていることがおわかりいただけると思います。

陥没乳頭は前述のようにいろいろな問題があるので、できるだけ直しておいた方がいいでしょう。ただし施術方法によっては乳管が切除されてしまったり、再発しやすい場合もありますので、ぜひ慎重にクリニックを選んでいただきたいと思います。
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